#24 ベネチアの夜に
ふり返りトーク #24
オット ぼくは、この旅行で、あなたのお母さんに対する認識が、すごく深まった。
お母さんは、プライドが高いんだよね。
けら かも……ていうか、私は、そこ、あまり深くわかってないかも。
オット そう? すごく分かりやすく、そうだと思うんだけど。で、そのプライドの高いお母さんが、だんだん調子がでてきて、いろんなことを言いはじめて。
前号の「地球が温暖化してるから」「来年はもっと沈むでしょ」っていうのは、軽くベネチアに対して「見下げ」が入ったなと(笑)。
けら あはは。なんか、イラッとしたのは、そういうことだったのか。
オット 中華料理店で言ってた「私はどこでもいいですよ」って、セリフだけ見ると、わたしに気を使わないでね、という意味のようだけど、じつは、案内された席にありがたく座るほうがえらい、っていう、僕らに対するたしなめの気持ちが入っている(笑)。
けら そう、それ!
あとで気持ちを整理すれば、その程度のことで、大したことじゃなかった。現場じゃ「イラッ」しか、つかめなかった。
オット 僕はやっぱりオブザーバーの役割なので。あなたがイライラしていても、なるべくどっちにもつかないようにしてたよ。3人組は、2対1に割れたら、まずいので。
けら まあね。2人が結託して、ひとりを責めたら、ほんとうにかわいそうだもんね……。
オット そう! なのに、このあと、ぼくがそれをやっちゃうんだけどさぁ……。
ともかく、お母さんは、このへんからリラックスして、楽しくなってきてるんだよね。ぼくはそれが、面白くて、お母さんの言うことをかたっぱしから、メモりました。
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