#02 リアル母は、パートでめちゃくちゃ働いてた
ふり返りトーク#2
けら 私が中高のころのお母さんは、ほんとボロボロになるまで働いててさ、その姿が目に焼きついてるんだよね。
オット 「あたしンち」の母も、裏では、そうとう働いてたのかな。マンガの中では、専業主婦だけど。
けら めっちゃ働いてたはず!「あなたたちを大学行かせるために!」って言いながら。
でも、それって、おおもとの気持ちは「恐怖心」なんですよ。
オット ああ…。
けら お母さんは、九州の農家の出で、お父さんと結婚して、高度成長期の東京に出てくるんだけど、戦前の九州の田舎って、ほとんど江戸時代だからね。
オット (笑)そこまでかは、知らないけど。
けら ばあちゃんは「東京には鬼がおっちょ(いるぞ)」と言って、母を送り出したらしい(笑)。
お母さんは、すごい怖かったと思うよ。気を抜いたら東京に「殺される」って思ってたはず。
新婚のころ、部屋には電話も通じてないし、こっちには知り合いも一人もいないしで、そうとう心細かったらしいから。
それで、助けてくれるのはお金だけ、って思ったんだと思う。自分には貯金しかないって。
オット うん。
けら 私も、お母さんは、よくここまでがんばったと思った。もう、サバイバルだよね。
オット でも、そのサバイバルは、子どもが大学に入ったらゴールのはずだったんでしょ?
けら そう……なのに、お母さんの恐怖心は、そこではとけなかったんですよ。
(つづく)