セキララシリーズ
「セキララ」シリーズは、けらえいこさんの、結婚についてのコミックエッセイシリーズです。
現在まで4冊が刊行されています。
タイトル | 発行年 | 出版社 |
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セキララ結婚生活 | 1991 | メディアファクトリー → KADOKAWA |
たたかうお嫁さま | 1992 | |
いっしょにスーパー | 1993 | |
7年目のセキララ結婚生活 | 1999 |
セキララ結婚生活
#001 「新居の夢」
『セキララ結婚生活』は、1991年、メディアファクトリー(現KADOKAWA)より、刊行されました。
当時、リクルート系列の出版社だったメディアファクトリーは、実用コミック「ユーキャンシリーズ」を企画。けらさんは、フロムエーでイラストや記事解説マンガを描いていた関係で、一冊丸ごと描き下ろしの依頼を受けます。
けらさんは、自分の結婚生活のあれこれを描くことにしました。
そのころ、ちょうど『恋愛論』(柴門ふみ)『笑う出産』(まついなつき)が、ベストセラーになっていたことが、背景にありました。
#003 「家事分担」
『セキララ結婚生活』は、「新婚生活マニュアル」の体裁をとっています。
「家事分担」「けんか」「仲直り」「親とのつきあい」などの大テーマから、「幼児語」「もったいない感覚」「かまってほしい」といったオリジナルネタまで。
それは、誰もが体験していながら、語られたことのない、エピソードばかりでした。
無名の作者の描き下ろし本だったにもかかわらず、『セキララ結婚生活』は、発売後すぐ重版をかさね、ベストセラーになります。
作者が主人公のエッセイ漫画には、いくつかの先行作品(*1)がありましたが、女性の生活実感とそのディテールを「自分の話」として描いた「セキララ」は、ほとんど先例のないものでした。
『セキララ結婚生活』は、『ダーリンは外国人』(小栗左多里)『150cmライフ』(たかぎなおこ)のようなベストセラー、そしてツイッター上の数多くのコミックエッセイの、「原型」であり「元祖」なのです。
(*1)『サザエさんうちあけ話』(長谷川町子)『ももいろ日記』(中田雅喜)『みりん星通信』(まついなつき)『フロムK』(いしかわじゅん)など。
たたかうお嫁さま
「たたかうお嫁さま」は、『セキララ結婚生活』の続編の、ブライダルエッセイです。
『セキララ結婚生活』の翌1995年、メディアファクトリー刊。
けらさんが、自身の結婚のいきさつ(プロポーズ)から、結婚式、新婚旅行までの奮闘を描いた実録もので、「とらばーゆ(東海版)」に連載されました。
#001 「プロポーズ」
#009 「ドレス選び」
こまかいことに気が回るけらさんが、夢と現実のはざまに足をとられまくりながら、なんとか希望を実現していくこの作品は、お話としておもしろく、実用性も高かった。
『セキララ』『たたかう』の2冊セットを、結婚が決まった友だちにプレゼントしたという読者のご報告を、たくさんいただきました(プレゼントされた二人が、次に結婚が決まった二人に、新しいセットをプレゼントした、という話も!)
「たたかうお嫁さま」は、1995年、日本テレビ系列で、連続テレビドラマになりました。主演は、松本明子さん、保阪尚希さん。
松本明子さんとけらさんが会ったとき、おたがい「なんとなく、自分に似ている」と思ったそうです。
いっしょにスーパー
すこし売れっ子になったけらさんに、いくつかの雑誌から、連載や読み切りの依頼がありました。「コサージュ」「ユー」「オフィスユー」「とらばーゆ(関西版)」「オール読物」といった雑誌です。
けらさんは、あちこちに描いた作品を、なるべく早く単行本にするために、それらの全てに「セキララ」の夫婦二人を登場させました。
「あたしンち」につながる「ページ8コマの定型のコマ割りで4ページ前後の長さのお話」というスタイルは、これらの連載で、はじめて試みられました。
そして、1994年「いっしょにスーパー」発売。
#008
表紙は「あたしンち」の単行本でもおなじみの、森井ユカさんによる、けらさん夫婦の立体イラストです。
7年目のセキララ結婚生活
1999年刊。「セキララ」シリーズ、5年ぶりの新刊でした。
#003「もったいない感覚」
「セキララ結婚生活」続編である「その後のセキララ」(「とらばーゆ(関西版)」連載)と、マンガ雑誌に掲載された、ページ8コマ形式の、「日々のセキララ」からなります。
各話のタイトルは「慣れてきた」「食事のタイミング」「自分ばっかり」「似てない夫婦」「グルーミング妻」「シンクロニシティ」「技の名前」「サービスデイ」「最近の愛情のやりとり」などなど。
二人の生活がこなれてきて、エピソードが、かつて、だれにも語られたことのない領域に、入ってきています。
お母さんとイタリア
「セキララ」シリーズのスピンアウトともいうべき、けらさんの自分漫画。「あたしンち」母のモデルでもある、リアル母をつれて、母の人生を改造すべく、親孝行旅行を企画した、けらさんだったのですが……。
「お母さんとイタリア」くわしくは、こちらから!