#10 フィレンツェに来たけれど
ふり返りトーク#10
けら 私は、フィレンツェ好きだったなあ。
オット ぼくも。
けら 「お母さんにイタリアを見せたい!」って思ったのも、それだもん。フィレンツェ最高だった。
オット はじめて、二人でヨーロッパに行ったとき、最後がフィレンツェで、最後の夜にふたりで酔っ払って「帰りたくなーい」って、広場でくるくる回って。
けら ははは、そうだっけ。
オット なんか、楽しかったんだよね。すごくなじんで、リラックスしてた。
けら 私はなんといってもカフェ「ジャコーザ」! あそこのサンドイッチとカプチーノを、毎朝食べに行けたのが、最高だった。
オット たまたま入った、ホテルにいちばん近いカフェだったけど、あとで調べたら老舗だった。
あそこに朝来る人たちの、なんともいえない田舎っぽいオシャレがよかったんだよなあ。オシャレなおじさんなんて、日本には、藤村俊二さんくらいしかいない時代だったから(笑)。
けら サービスのおじさんも可愛かったよね!
もうなくなっちゃったけど……ジャコーザ。
オット そう。
けら フィレンツェは、お母さん、気に入ると思ってたんだ。じっさい、いまだにお母さん「イタリアは、ほ〜んとよかった!特にフィレンツェ!」って言ってるしね。
オット よかったじゃない。
けら けど、現地では、お母さん、ぜんぜんウケてくれなくて、パニクった。
オット パニクらなくてもいいのに……。
けら そうとう、お金も時間もつぎ込んでたから、気持ちに余裕なかった(笑)。
オット そうか「勝負のフィレンツェ」が、しょっぱなだったからね……。
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